「正解のない問い」を教える(教育)
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By Nihongo PathUpdated
Strategy notes: read these before the passage
- Mark the contrast markers (しかし, ただ, もっとも, ところが): the author's real opinion is usually stated right after them.
- For 指示語 questions (それ, その, これら), look at the sentence immediately before and rephrase it in your own words before checking the options.
- The 'main point' question is answered by the final paragraph. Reject options that are stated in the passage but then explicitly rejected by the author (〜べきだとは言いたいわけではない).
Passage
高校で社会科を教えて二十年になる。この間に、教室で最も変わったのは生徒ではなく、私自身の授業のやり方だったと思う。
教員になったばかりのころ、私の授業は「正しい答え」を効率よく伝えることが中心だった。年号、人物、条約の名前。テストで点を取らせることが仕事だと信じていたし、生徒もそれを望んでいるように見えた。ところが、ある年の授業で「この戦争は避けられたと思うか」と何気なく尋ねたところ、それまで下を向いていた生徒たちが一斉に顔を上げた。意見は真っ二つに割れ、チャイムが鳴っても議論は終わらなかった。
その日を境に、私は授業の中に「正解のない問い」を意識的に入れるようになった。もちろん、基礎的な知識は今でも教える。知識がなければ、議論は単なる感想の言い合いに終わってしまうからだ。しかし、知識を覚えることは出発点であって、目的ではない。
生徒たちが社会に出れば、正解の用意された問題などほとんどない。限られた情報の中で、立場の違う相手と話し合い、納得できる結論を探していく。その練習の場が教室であるべきだと、今の私は考えている。
もっとも、こうした授業には課題もある。評価が難しいこと、時間がかかること、保護者から「受験に関係あるのか」と問われること。それでも私は、答えを教える授業に戻るつもりはない。問いの前で顔を上げた生徒たちの表情を、忘れられないからである。
Vocabulary in this passage
- 教員きょういん
- teacher (formal)
- 条約じょうやく
- treaty
- 何気なくなにげなく
- casually, without particular intent
- 一斉にいっせいに
- all at once
- 真っ二つまっぷたつ
- split in two
- 〜を境に〜をさかいに
- from that point on
- 意識的いしきてき
- consciously, deliberately
- 出発点しゅっぱつてん
- starting point
- 納得なっとく
- being convinced, agreement
- 課題かだい
- issue, challenge
- 評価ひょうか
- evaluation, assessment
- 保護者ほごしゃ
- parent/guardian
Questions
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