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道Nihongo Path

「正解のない問い」を教える(教育)

Time limit 8 min

By Nihongo PathUpdated

Strategy notes: read these before the passage

  • Mark the contrast markers (しかし, ただ, もっとも, ところが): the author's real opinion is usually stated right after them.
  • For 指示語 questions (それ, その, これら), look at the sentence immediately before and rephrase it in your own words before checking the options.
  • The 'main point' question is answered by the final paragraph. Reject options that are stated in the passage but then explicitly rejected by the author (〜べきだとは言いたいわけではない).

Passage

高校で社会科を教えて二十年になる。この間に、教室で最も変わったのは生徒ではなく、私自身の授業のやり方だったと思う。

教員になったばかりのころ、私の授業は「正しい答え」を効率よく伝えることが中心だった。年号、人物、条約の名前。テストで点を取らせることが仕事だと信じていたし、生徒もそれを望んでいるように見えた。ところが、ある年の授業で「この戦争は避けられたと思うか」と何気なく尋ねたところ、それまで下を向いていた生徒たちが一斉に顔を上げた。意見は真っ二つに割れ、チャイムが鳴っても議論は終わらなかった。

その日を境に、私は授業の中に「正解のない問い」を意識的に入れるようになった。もちろん、基礎的な知識は今でも教える。知識がなければ、議論は単なる感想の言い合いに終わってしまうからだ。しかし、知識を覚えることは出発点であって、目的ではない。

生徒たちが社会に出れば、正解の用意された問題などほとんどない。限られた情報の中で、立場の違う相手と話し合い、納得できる結論を探していく。その練習の場が教室であるべきだと、今の私は考えている。

もっとも、こうした授業には課題もある。評価が難しいこと、時間がかかること、保護者から「受験に関係あるのか」と問われること。それでも私は、答えを教える授業に戻るつもりはない。問いの前で顔を上げた生徒たちの表情を、忘れられないからである。

Vocabulary in this passage

教員きょういん
teacher (formal)
条約じょうやく
treaty
何気なくなにげなく
casually, without particular intent
一斉にいっせいに
all at once
真っ二つまっぷたつ
split in two
〜を境に〜をさかいに
from that point on
意識的いしきてき
consciously, deliberately
出発点しゅっぱつてん
starting point
納得なっとく
being convinced, agreement
課題かだい
issue, challenge
評価ひょうか
evaluation, assessment
保護者ほごしゃ
parent/guardian

Questions

Ready

8:00

of 8:00

Question 1

Choose the best answer

筆者がこの二十年で最も変わったと感じているのは何か。

Question 2

Choose the best answer

筆者の授業が変わるきっかけになった出来事は何か。

Question 3

Choose the best answer

筆者は知識を教えることについてどう考えているか。

Question 4

Choose the best answer

筆者が「正解のない問い」を扱う授業を続ける理由は何か。

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