Skip to content
道Nihongo Path

「もったいない」の行方(文化)

Time limit 8 min

By Nihongo PathUpdated

Strategy notes: read these before the passage

  • Mark the contrast markers (しかし, ただ, もっとも, ところが): the author's real opinion is usually stated right after them.
  • For 指示語 questions (それ, その, これら), look at the sentence immediately before and rephrase it in your own words before checking the options.
  • The 'main point' question is answered by the final paragraph. Reject options that are stated in the passage but then explicitly rejected by the author (〜べきだとは言いたいわけではない).

Passage

「もったいない」という日本語は、外国語に訳しにくい言葉の一つだと言われる。物を無駄にすることへの惜しさだけでなく、その物に対する敬意や、使い切れない自分への反省までが含まれているからだ。祖母は割れた茶碗を捨てる前に必ず「ありがとう」と言っていたが、あれはまさにこの感覚の表れだったのだろう。

ところが、現代の日本でこの言葉がどれほど生きているかというと、心もとない。食品ロスは年間数百万トンに達し、まだ着られる衣類が大量に廃棄されている。安く買って、飽きたら捨てる。そうした消費のあり方は、「もったいない」の精神とは正反対である。皮肉なことに、この言葉が海外で環境保護の合言葉として注目される一方で、本家の日本では影が薄くなりつつある。

なぜこうなったのか。理由の一つは、物が安くなりすぎたことだと思う。祖母の時代、茶碗は簡単に買い替えられるものではなかった。だからこそ、欠けても金継ぎをして使い続けた。物の値段が下がれば、それを大切にする理由も薄れる。「もったいない」は、道徳というより、物が貴重だった時代の生活の知恵だったのかもしれない。

とすれば、この言葉を復活させるには、単に「大切にしましょう」と呼びかけるだけでは足りない。物の背後にある時間や労力が見える仕組み、たとえば作り手の顔がわかる販売の方法や、修理して使い続けることを評価する文化が必要になる。言葉を守るとは、その言葉が生まれた条件を作り直すことなのだと思う。

Vocabulary in this passage

惜しいおしい
regrettable, a waste
敬意けいい
respect
反省はんせい
self-reflection
心もとないこころもとない
uncertain, unreliable
廃棄はいき
disposal, discarding
皮肉ひにく
irony
合言葉あいことば
slogan, watchword
影が薄いかげがうすい
to have a low presence
金継ぎきんつぎ
repairing ceramics with gold lacquer
道徳どうとく
morality
労力ろうりょく
labor, effort
背後はいご
behind, background

Questions

Ready

8:00

of 8:00

Question 1

Choose the best answer

「もったいない」が外国語に訳しにくいのはなぜか。

Question 2

Choose the best answer

「皮肉なことに」とあるが、何が皮肉なのか。

Question 3

Choose the best answer

筆者は「もったいない」の精神が薄れた理由を何だと考えているか。

Question 4

Choose the best answer

筆者が「もったいない」を復活させるために必要だと考えているのは何か。

0 / 4 answered. Answer every question to check.