「もったいない」の行方(文化)
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By Nihongo PathUpdated
Strategy notes: read these before the passage
- Mark the contrast markers (しかし, ただ, もっとも, ところが): the author's real opinion is usually stated right after them.
- For 指示語 questions (それ, その, これら), look at the sentence immediately before and rephrase it in your own words before checking the options.
- The 'main point' question is answered by the final paragraph. Reject options that are stated in the passage but then explicitly rejected by the author (〜べきだとは言いたいわけではない).
Passage
「もったいない」という日本語は、外国語に訳しにくい言葉の一つだと言われる。物を無駄にすることへの惜しさだけでなく、その物に対する敬意や、使い切れない自分への反省までが含まれているからだ。祖母は割れた茶碗を捨てる前に必ず「ありがとう」と言っていたが、あれはまさにこの感覚の表れだったのだろう。
ところが、現代の日本でこの言葉がどれほど生きているかというと、心もとない。食品ロスは年間数百万トンに達し、まだ着られる衣類が大量に廃棄されている。安く買って、飽きたら捨てる。そうした消費のあり方は、「もったいない」の精神とは正反対である。皮肉なことに、この言葉が海外で環境保護の合言葉として注目される一方で、本家の日本では影が薄くなりつつある。
なぜこうなったのか。理由の一つは、物が安くなりすぎたことだと思う。祖母の時代、茶碗は簡単に買い替えられるものではなかった。だからこそ、欠けても金継ぎをして使い続けた。物の値段が下がれば、それを大切にする理由も薄れる。「もったいない」は、道徳というより、物が貴重だった時代の生活の知恵だったのかもしれない。
とすれば、この言葉を復活させるには、単に「大切にしましょう」と呼びかけるだけでは足りない。物の背後にある時間や労力が見える仕組み、たとえば作り手の顔がわかる販売の方法や、修理して使い続けることを評価する文化が必要になる。言葉を守るとは、その言葉が生まれた条件を作り直すことなのだと思う。
Vocabulary in this passage
- 惜しいおしい
- regrettable, a waste
- 敬意けいい
- respect
- 反省はんせい
- self-reflection
- 心もとないこころもとない
- uncertain, unreliable
- 廃棄はいき
- disposal, discarding
- 皮肉ひにく
- irony
- 合言葉あいことば
- slogan, watchword
- 影が薄いかげがうすい
- to have a low presence
- 金継ぎきんつぎ
- repairing ceramics with gold lacquer
- 道徳どうとく
- morality
- 労力ろうりょく
- labor, effort
- 背後はいご
- behind, background
Questions
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