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道Nihongo Path

評論 — 縮小を設計する

Time limit 10 min

By Nihongo PathUpdated

Strategy notes: read these before the passage

  • The essay moves from diagnosis (paragraphs 1-3) to proposal (paragraph 4). Locate the proposal sentence with 提案したい.
  • 前者/後者 in paragraph 3 refer back to 計画された縮小 and 放置された崩壊 in that order. Confirm the order before answering.
  • The last sentence is a striking claim (まだ一枚も持っていない); expect a question on what 設計図 stands for.

Passage

人口減少をめぐる議論は、長らく「いかに止めるか」に費やされてきた。出生率(しゅっしょうりつ)の向上、移民の受け入れ、地方への移住促進。いずれも意義のある施策(しさく)だが、これらが功を奏(そう)したとしても、今後数十年にわたって人口が減り続けることは、すでに確定した未来である。にもかかわらず、政策の多くは「増えることを前提に設計された社会」を、そのまま維持しようとしている。

道路、上下水道、学校、病院。これらは人口が増え続けた時代に、増え続けることを見越して整備された。維持費は、住民の数が減っても減らない。むしろ老朽化(ろうきゅうか)によって増える。一人当たりの負担は膨らみ、それを避けようとすれば、サービスの水準を落とすか、施設を畳むしかない。ここで問われるのは、「どこを畳むか」を誰がどう決めるかである。

撤退(てったい)を語ることは、政治的にきわめて難しい。「あなたの町の診療所を閉じる」と言って選挙に勝てる政治家はいない。だから決定は先送りされ、施設は静かに朽ち、ある日突然、使えなくなる。計画された縮小と、放置された崩壊(ほうかい)とでは、住民が被る損失の大きさがまるで違う。前者には準備の時間があり、後者にはない。

私は、縮小を「敗北」ではなく「設計の課題」として捉え直すことを提案したい。拡大期に設計の才能が注がれたように、縮小期にもそれは必要である。どの機能をどこに集約し、どの移動手段でつなぎ、空いた土地を何に転用するか。それは消極的な後始末ではなく、限られた資源で暮らしの質を保つための、積極的な創造である。成長を前提としない社会の設計図を、私たちはまだ一枚も持っていない。

Vocabulary in this passage

出生率しゅっしょうりつ
birth rate
施策しさく
policy measure
功を奏するこうをそうする
to succeed, bear fruit
見越すみこす
to anticipate
老朽化ろうきゅうか
ageing, deterioration
畳むたたむ
to close down
撤退てったい
withdrawal, retreat
先送りさきおくり
postponement
朽ちるくちる
to decay
被るこうむる
to suffer (loss)
集約するしゅうやくする
to consolidate
転用するてんようする
to repurpose

Questions

Ready

10:00

of 10:00

Question 1

Choose the best answer

「すでに確定した未来」とは何を指すか。

Question 2

Choose the best answer

インフラの維持費が住民の減少とともに減らないのはなぜか。

Question 3

Choose the best answer

「計画された縮小」と「放置された崩壊」の違いとして筆者が挙げているのは何か。

Question 4

Choose the best answer

筆者の提案として最も適切なものはどれか。

Question 5

Choose the best answer

第三段落の役割として最も適切なものはどれか。

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